FXで勝てない人の特徴を考える上で「期待値」というものがあります。
この「期待値」を理解していなかったり、そもそも「何それ?」と言う人も中にはいます。
期待値を知らずしてFXで勝つことは絶対にありえないと言っても過言ではないこの期待値について、分かりやすく解説したいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください!
「プロスペクト理論誕生のきっかけ」となった実験
FXで勝つ為に絶対必要な2つの理論のうちの1つ、プロスペクト理論について以前解説をしました。※ご存知ない方は先にプロスペクト理論をみてください。
このプロスぺクト理論が誕生するきっかけとなった実験こそ「期待値」を使ったものだったのです。
※登場する心理学者の名や、難しい言葉はFXで勝つためには必要ないので割愛します。
難しい話はさておき、早速その「実験」を一緒にやってみましょう!
■次の二つの質問に答えてください。選択肢はAかBのどちらかです。
質問1:あなた次の二つの選択肢から1つ選択しないといけません。どちらを選びますか?
選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
では次の質問です。
質問2:あなたには200万円の借金があります。次の選択肢から1つを選んでください。
選択肢A:無条件で借金が100万円減額され、借金総額が100万円になる。
選択肢B:コインを投げ、表が出たら借金が全額免除されるが、裏が出たら借金は200万円のまま。
質問は以上ですが、あなたは2つの質問。どちらを選びましたか??
質問1は、どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は同じ100万円です。
★★同じ100万円?と思う人の為の解説。
この選択は「1回の結果」で考えるのではなく、同じ選択肢が10回繰り返された場合を考えてください。FXの取引も1回ではありませんから。
選択肢A:100万円×10回=総額1,000万円。
選択肢B:200万円×5回(コインの表裏なので確率は1/2と考える)=総額1,000万円。
よって、どちらも金額の期待値は同じ100万円となります。
質問2も、どちらの期待値も-100万円と同じになります。
はたして実験の結果はどうなるのか?
質問1では、選択肢Aを選ぶ人が多く、質問2では、選択肢Bを選ぶ人が多いのです。
この結果が意味することは、人は目の前に利益がある場合はその利益が手に入らないというリスクの回避を優先します(確実にもらえる100万円を選ぶ)。
そして損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)があるのです(200万円の借金を出来れば「0円」にしたい!)。
質問1では、「50%の確率で何も手に入らない」というリスクを回避し、「100%の確率で100万円をもらえる方を選びます。
質問2では、「100%の確率で確実に100万円を支払う」という損失を回避し、「50%の確率で支払いを免れたい」と考えてしまうのです。
まとめ
この実験結果からわかる事を簡単にまとめます。
利益は直ぐに確定したいが、損失は出来ることなら「ゼロ」にしたい。
これが、この実験結果が導きだした答えなんです。
そしてこの結果こそが「コツコツ、ドカン」。FX業界では誰もが聞いたことのある格言なのです。※コツコツ勝って、ドカンと負けるの意味。
如何でしたでしょうか。期待値について何となく知って頂けたかと思いますので、次回は「期待値」をどのように実戦で考えれば良いのかを分かりやすく解説します。
※期待値の具体的な計算【実戦編】
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